今期のトリックスター総括① カテゴリカードの基本的な動かし方について

しばらくぶりにブログを書きます。今期もいつも通り使い続けたトリックスターについてです。

 

 

トリックスター・キャンディナ

 星4/光属性/天使族/攻1800/守 400
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「トリックスター」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手が魔法・罠カードを発動する度に相手に200ダメージを与える。

 

3枚必須枠。トリックスターにおけるエアーマンでありガジェットのようなものです。初動として後続を確保すること、後述のマンジュシカとの連携でライフを一気に削ることが主な役割です。

②のバーンはおまけ程度ながら魔法罠を多用する相手にはそれなりの効用があります。うっかりしてると計算に加え忘れがちなので気を付けたいですね。

 

先攻初動として使用する場合、サーチ先はおおむねマンジュシカ/ライトステージ/リンカーネイションの三択となります。

基準は

・マンジュシカ→相手の単体除去を躱したい、ヴァレルソードで返しワンキルされることへのケアをしたい、ケルビダンディ(後述)の下準備をしたい

・ライトステージ→ステージの伏せを触る効果で圧をかけたい(=魔法罠が戦術の根幹にあるデッキの相手ターンにおけるステージ処理をケアしたい)、手持ちの札から勝ち筋が見えず次のターンに広く択を持ちたい

・リンカネ(原則として後続のリソースが確保できているときにサーチする)→妨害数が明らかに足りない、ピンポイントで特定の札を飛ばしたい、初動がキャンディナ+マンジュのときに妨害として構えつつ次ターンにケルビダンディを撃ちたい

 

こうした基準を意識しつつ自分の手持ちからゲームプランを立ててサーチ先を考えます。相手のデッキが見えていない場合、(今期においては)デッキ枚数からある程度のアタリを付けて有効札をサーチします。

40~41枚…環境トップの閃刀姫、またはオルターガイストの確率が高い。ステージが有効に機能するのでなるべく手札に1枚は持っておきたい。リンカネも通ればだいぶ強い。

42~43枚…予想がつけづらい。展開系の目も増えるのでステージよりはリンカネ、あるいは除去を逸らしつつ縦を横にできるマンジュが強い。

44枚以上…ほぼ間違いなく展開系。妨害が足りているならマンジュ、妨害はやや足りないが返しの勝ち筋は確保できそうという状況ならリンカネ。トリスタがダブついているときはケルビダンディからトポロ起爆装置を作る択もあり。

 

後手においてはライトステージを経由しつつマンジュシカをサーチして、バックを踏みつつ(1800+200)+(1600+200)+(相手ドローフェイズ200+200)=4200ダメージを供給したり、前ターン場に残したレベル3誘発や手札の素引きマンジュシカとケルビーニを組んだり、リリーベル持ってきて墓地回収したり、リンカネ持ってきて手札コストにしたりと、無限に仕事があります。

キャンディナだけでは絶対にゲームに勝てませんが、自由枠に採用している数々のパワカと組み合わせることでライフを削り取るのが後攻および2ターン目以降の役割ということになります。

 ちなみにキャンディナに限らず、トリックスターカードが有するバーン効果はほとんど全てがチェーンブロックを組まない永続効果です。わりと大事なことです。

 

トリックスター・マンジュシカ

星3/光属性/天使族/攻1600/守1200
(1):手札のこのカードを相手に見せ、「トリックスター・マンジュシカ」以外の
自分フィールドの「トリックスター」モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを特殊召喚し、対象のモンスターを持ち主の手札に戻す。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手の手札にカードが加わる度に、加えたカードの数×200ダメージを相手に与える。

 基本3枚、混ぜ物する場合たまに2枚。トリックスターにおけるダメージソースです。フリチェ入れ替え能力で同名以外への対象を取る効果を避けたり、バトルフェイズ中に追撃を行うのが主な仕事です。

もう一つの役割として、このカードのSS能力を活かして場に星3を2体並べ、ケルビーニへアクセスし、ダンディライオンを落とすことで八の字リンク+レベル1トークン2体を供給するという重要な仕事があります。たんぽぽサンバに似た何かですね。

下のトークンをリンク1経由でゴブリンに変換し、増えた召喚権でサーチ効果にターン1をつけ忘れているキャンディナを出し、リリーベルを引っ張ってきてリンク増やしつつ殴るというのが常套手段です。手札コストがないときもトークンの変換さえ出来れば2+1+1でヴァレルソードやロードも作れます。

相手のライフが尽きかけているゲーム終盤においては、雑に盤面に並べて置くだけでも「手札に加わる」を条件とする緩いバーンが疑似的な制圧になります。サーチ札による捲られの筋を断てるため、トリックスターにおいては細かいダメージをコツコツ積み上げるゲームメイクが重要になりがちですね。

 

トリックスター・リリーベル

星2/光属性/天使族/攻 800/守2000
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがドロー以外の方法で手札に加わった場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードは直接攻撃できる。
(3):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、
自分の墓地の「トリックスター」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。

 1枚採用が基本。素引きが基本的に弱く、必要なシーンにおいてキャンディナやステージからサーチ、そのまま場に出せる点に強みがあります。

自身の効果で直接攻撃、墓地のマンジュを拾って入れ替えてマンジュで殴る流れが基本的な運用方法です。

また、自場に矢印が一方向以上空いているFWD、墓地にマンジュ、相手場に1601以上の縦向きモンスターがいる状態で有限ループを組みライフを焼き切ることが可能です。

ライフ計算が煩雑なため詳しい動きは省略しますが、多少のライフ差なら余裕で捲れたりします。前期は18打点かつ場に残したままターンが来がちなエレクトラムがカモでしたが、今期はシズクくらいしかまともな的がないため、ガメシエルを補助に使う機会も多々ありました。

他にも自身のSS効果を「場にリンク1素材を供給する」ものとして活用することができます。素引きしたダンディライオンと合わせてリンク数を伸ばしたり、トロイメア汎用リンクで除去を行います。エクストラにブルムを採用している場合、召喚権を使わない下向きリンク1として動かすことができます。参考↓

 

もう一つ覚えておきたいのは、守備が2000あるためいざという時の壁として運用する動きです。最も多いシーンはサイドチェンジ後に立てられがちなインスペクト・ボーダーでしょう。

星4/光属性/機械族/攻2000/守2000
自分フィールドにモンスターが存在する場合、このカードは召喚・特殊召喚できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
その間はお互いにそれぞれ1ターンに発動できるモンスターの効果の回数が、
フィールドのモンスターの種類(儀式・融合・S・X・P・リンク)の数までになる。

 トリックスター側がこれを封殺札として立てる動きもありますが、相手が先攻でボーダーを立ててきた場合、基本的にトリックスター単体での突破は無理です。パンクラスケゴ等のパワーの高い汎用があればいいものの、毎回引けているとも限りません。

そういう時にはステージからリリーベルをサーチ、伏せ置きして解決札を待つことになります。覚えておいて損はないでしょう。

 

トリックスター・キャロベイン

星5/光属性/天使族/攻2000/守1000
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスターが、
存在しない場合または「トリックスター」モンスターのみの場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):自分の「トリックスター」モンスターが
相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時からダメージ計算前までに、
このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
その自分のモンスターの攻撃力はターン終了時まで、その元々の攻撃力分アップする。

 0~1枚採用。カテゴリ指定オネスト+場への供給効果。非常に小回りの利くスペックです。

現環境においては高打点による制圧ではなく、閃刀姫やオルターガイストに代表される低打点ビート/コントロールでアドを稼ぎつつ、リンクで高い打点も出せるテーマや、超雷龍のような耐性持ちシステムモンスターが幅を利かせており、やや肩身の狭い状況です。

自分も今期はたまに採用を考えるも結果として見送りになるケースが頻繁にありました。決して弱いカードではないですが、トリックスターのサーチはそう乱発できるものでもなく、「キャロベインをサーチしておく余裕がない」といったニュアンスです。

固有の役割としては打点問題の解決のほか、ETEDの短いターン数で強引にライフを詰めて勝つための武器になります。また、カテゴリ内唯一のレベル5であるため、壊獣を多用する構築であれば、押し付けられたイヴリースを処理して捲りの足掛かりとする役割も期待できます。

総じて、環境次第で採用の是非が変わる一枚だと考えています。

 

トリックスター・ライトステージ

フィールド魔法
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「トリックスター」モンスター1体を手札に加える事ができる。
(2):1ターンに1度、相手の魔法&罠ゾーンにセットされたカード1枚を対象として発動できる。
このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
セットされたそのカードはエンドフェイズまで発動できず、
相手はエンドフェイズにそのカードを発動するか、墓地へ送らなければならない。
(3):自分フィールドの「トリックスター」モンスターが戦闘・効果で相手にダメージを与える度に、
相手に200ダメージを与える。

 3枚必須。トリックスターを組む意義というべき最強のハイスペックカードです。

カテゴリ汎用サーチ、即時発生する永続効果としてのバーン付加はともに戦術の根幹を支える重要な能力です。さらに②の効果は飛び抜けて優秀で、ステージが維持されている限り毎ターン伏せの発動or墓地送りを強要することができます。警告通告などの召喚無効系を開かせず墓地に流せるのは頼もしい限りですね。

このカードを維持して後ろを抑えつつカテゴリモンスターでタコ殴りするのが最もシンプルな勝ち筋です。トリックスターは誘発が元々当たりにくいため、余計なリスクを取りたくないときはキャンディナマンジュマンジュで3回殴ってドロー込み6400ダメージみたいな動きをしがちです。

重要な裁定として、このカードでやぶ蛇を踏んでエンド時に墓地に送らせた場合、こちらの効果で離れた扱いにならずやぶ蛇が発動できないことは知っておきたいですね。

 

トリックスター・リンカーネイション

通常罠(制限カード
(1):相手の手札を全て除外し、その枚数分だけ相手はデッキからドローする。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「トリックスター」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

 制限カードのため1枚。よほど偏った構築でもない限り必須枠だと考えています。

①の効果は相手の手札を全て除外に飛ばし同数ドローさせる効果。この効果を活用したドロバハンデスサモンチェーンを絡めた実質先攻ワンキルが原因で規制されました。

マンジュバーンを絡めて急いでライフを取る必要があるETEDであれば要検討ですが、基本的にスタンバイのヤマ勘撃ちは避けるべきです。

このカードは、「相手が手札に保持しておきたいキーカードを任意のタイミングで飛ばせる」という条件を整えた段階で初めて1妨害として機能するので、適当に撃ったあげく相手の手札をいい感じにマリガンしてしまえばただの1アド損でしかありません。

 また夏から環境に浮上した「サンダー・ドラゴン」が、共通効果として除外されたときのメリット効果を保有しているので、尚更やみくも撃ちのリスクが高まっています。特に対サンドラ戦ではそうですが、雑に撃つのは避けましょう。

今期強く撃てるケースとしては対閃刀におけるエンゲージ回収時やそのサーチ先を狙い撃ちする場面、対オルターにおいては手札からのマルチフェイカー発動にチェーンしてフェイカーごと飛ばす場面などがありました。

②の効果も非常に重要です。表示形式も一切問わず、罠であるためフリチェで、かつ墓地に送られたターンから即座に撃てる点が非常に強く、単純なリンク数の確保からケルビダンディのためのマンジュ蘇生、バトルフェイズ中の追撃やヴァレルソードの効果発動のための縦向き確保、ライフがヤバいときの壁など、無限の可能性があり、もはや①の効果がしょっぱくても採用したくなるくらいには便利です。せめて準制限にならないかなと期待していますがたぶん無理でしょう。

 

トリックスターにおけるカテゴリカードの基本的な使い方は以上です。

次回は実際に自分が握っていた構築をもとに、誘発や汎用枠の採択について考えてみたいと思います。